4年ぶりに祷屋に矢来が組まれ、市役所や公園、交差点に横断幕が取り付けられた。尾鷲神社にたなびくのぼり旗を見ると、いよいよ祭りが近づく実感がわいてくる。
コロナ禍の中、多くの祭事やイベントが〝不要不急〟として中止となってきた。祭りは果たして社会に必要なのか、伝統の存在意義は何なのか、そう問いかけることも多かった。その度に、東日本大震災のチャリティーマッチに際して、三浦知良選手の言葉を思い返している。
「震災の悲惨な現実を前にすると、サッカーなんかやってる場合じゃないよな、と思う」「サッカーが『なくてもいいもの』に見える」「とても明るく生きている状況じゃない」と。「それでも、『あった方がいい』もののはずだと信じている」「でも、明るい材料がなければ生きていけない」「暗さではなく明るさを。全力で、必死に、真剣にプレーすることを誓う」と。
4年は長かった、だがとうとう耐えきった。これからもこの地域で私たちが明るく生きていく、そのための祭りは、もう近い。
(R)