第13回熊野古道全国書道展が、尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで始まった。熊野古道に関する創作や写経、臨書など、海外からも含め178作品の応募があり、特別賞と特選、役員の計52点を展示している。2月6日(火)まで。
北海道から福岡・長崎までと台湾から、3歳から一般までの応募があった。今回は尾鷲市、紀北町在住者は特選以上に入らなかった。
最高賞の三重県知事賞は台湾の劉俊偉さんの作品。一文字が数ミリほどのきわめて微細な写経で、阪本青悠実行委員長は「微小ながら字形は非常に緻密な隷書。気が遠くなるような超多字数の作。その気迫と集中力に圧倒される」と評する。
紀北町教育委員会賞には、紀北町出身で滋賀県在住の尾﨑麻里さんの写経の作品が選ばれた。阪本実行委員長によると「厳しい線質で、字形も見事。華やかな写経で見ごたえが十分」という。
子どもたちの作品も目立った。紀宝町教育委員会賞の中尾和花(のどか)さん(小4)は、曹全碑から18文字を臨書。杉岡彩葉さん(小1)は甲骨文字10文字分、杉岡双葉さん(同)は曹全碑から8文字を臨書。小学1年生でこれらの題材に取り組むのは珍しい。
阪本実行委員長は「役員の作品は他の展覧会でも活躍されている審査員のものもあり、それぞれ個性豊かな玉作が展示され、光彩を放っている。写経あり、臨書あり、毛筆・硬筆を問わない多彩な作品群で、オリジナルで独創性があり楽しめる書がこの展覧会の見せ場」と語り、多数の観覧を呼び掛けている。