新宮市議会で現在、適正な議員定数の導出が課題となっている。現行の15のままか、減らすか、減らすなら何人が良いのかなど、議長以外の全議員で作る議会改革特別委員会で議論が進んでいる。
話し合いで興味深いのは、市民アンケートを取れば多くの市民が定数減を求めるという認識は委員の中で共通しているが、議員という専門職を市民から任されている立場からすると、定数減によって市長や有力者の力が強まり、二元代表制の維持に影響し民主主義を守れなくなるのでは、などの懸念を払しょくできない点である。市民の声を届ける役割の議員が、しかしそれを鵜呑みにせず時には抗うことが市民のためになる可能性がある。この議論の根っこには、そんな間接民主主義のもどかしさがある。
8月24日の同委員会の会議には北山村議会議員4人も傍聴に来ていた。紀南の中心地・新宮市の議員定数を問うことは、人口減少の過渡期を迎える日本社会で、これからの地方議会のあり方そのものを問うことに直結する。議員には客観的で誠実な議論が、市民には関心を持ち考えることが望まれる。
【稜】