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紀南抄「古墳で眠る」

 福岡県糟屋郡新宮町で、前方後円墳の形を模した墓地に応募が殺到しているという。新宮市と同じ市町名なので気になって見てみると、遠く玄界灘を見渡す高台に、全長53メートル、円墳部分の直径約16メートル、高さ3.5メートルの巨大な古墳型永久墓が現代に蘇ったかのように鎮座している。全体は芝で覆われ、3100人分が納骨できるという。

 人気の理由は古墳というインパクトに加え、近年の墓事情もあるようだ。少子高齢化、過疎化、核家族化などの社会的な背景により、墓の後継者がいない、維持が難しい、墓参りに行きにくいなどの問題が発生。大切にしたい気持ちはあるものの、従来の墓での供養が困難となり、墓じまいや墓を建てないという選択をする人も増えているよう。

 私自身墓参りに積極的ではないし、子や孫に負担をかけたくないとの思いもあり、亡くなったらどこかで永代供養してもらいたいと願っている。偉人でもないのに古墳に埋葬されるなんて恐れ多い気もするが、ロマンを感じながら永眠できるのはすてきだなと憧れる。

【織】

      6月14日の記事

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