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不連続線「切り札の持ち主」

 いつだったか、市外の人から「尾鷲にはたかりの文化が染み付いている」と横っ面を張り倒されるような言葉を言われたことがある。火力発電所ができたために、自ら活性化策を図ることを忘れたのだと。
 
 おわせSEAモデルは、中電の三田火力発電所跡地活用計画で、尾鷲市活性化の切り札でもあるが、利益を最優先する一企業が地域活性化策の主要な担い手として組み込まれている構図に、根幹的な矛盾を抱えている。確かに、釣り桟橋はなくなった煙突に替わるシンボルになり得たし、木質バイオマス発電はカーボンニュートラルの観点から「木のまち尾鷲」の象徴にもなり得たが、ビジネスとして価値がなければ画餅でしかない。
 
 今回の木質バイオマス発電計画中止で、特にバナメイエビ養殖事業は頓挫しかねず、「このタイミングで」と思うところはある。だが、まず「中電が」と言うことを止めなければならないのではないか。おわせSEAモデルが真に活性化の切り札であるのなら、尾鷲市自らが責任と負担を負い、牽引しなければならない。
 
(R)

      4月11日の記事

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