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社説「マスク緩和 気の緩み注意」

 新型コロナウイルスの感染防止対策としてのマスク着用が「個人の判断」に委ねられてから10日が過ぎた。大勢が集まる場所ではまだまだ着用している人が多く、屋外では外す人も徐々に見られるようになってきたところか。小学校の卒業式では着用を基本に、卒業生のみ場面に応じて着脱する光景も見られた。

 感染状況を見ると、新宮保健所管内、熊野保健所管内ともに感染者ゼロの日もある。感染拡大の懸念については、コロナ禍の3年で身についた基本的な感染防止対策を場面に応じて続けるという人が多いだろう。大型連休明けの5月8日には、感染症法上の分類が「5類」に引き下げられるが、5類移行と脱マスクは、ウィズコロナへの本格的な転換を意味する。
 
 コロナ禍では、さまざまな制限の中、ストレスを感じながらの生活が続いたが、マスク着用条件の緩和と感染者数減少、さらに春本番を迎えたことで人々の行動が一気に活発化する。もともと年度末や年度初めは、卒業や入学、異動の時期も重なり慌ただしい。運転免許証を取得して間もない新米ドライバーが多いのもこの時期。春休み中、コロナ禍で控えていた旅行に出掛けるという人も増えるだろう。気を付けたいのが“気の緩み”。
 
 先日、新宮市内で重体交通事故、尾鷲市内で交通死亡事故が発生した。少しの油断、気の緩みが痛ましい事故につながることを忘れてはいけない。今年は統一地方選のため、例年4月中の「春の全国交通安全運動」が5月の実施になるが、4月に入れば、新入園児や新入学児が登園・登校で通学路に姿を見せる。ドライバーにはより一層、慎重な運転が求められる。
 
 一方、行政には、人々の行動が活発化することで考えられる注意点を、住民に周知してもらいたい。広報紙やホームページだけでなく、防災行政無線や広報車両巡回、報道機関への広報依頼など、さまざまな方法がある。重体事故発生の翌日、新宮市内では警察車両による警ら活動がいつもより目立ったが、警察の姿を見せることは交通事故の抑止に効果的。住民一人一人の意識と、各機関がそれぞれの役割を果たしながら、交通事故や犯罪被害のない社会を構築していきたい。
 

      3月24日の記事

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