ワールドカップが始まり、毎日楽しく観戦している。日本は初戦でドイツに歴史的な勝利を収めて激賞されたかと思えば、2戦目のコスタリカへの敗北で手のひらを返すように批判を受けている。もちろん競技の進歩には自由に意見を言い合うことは必要不可欠であり、一国を代表する選手たちには称賛も批判も集まるべきではあるものの、人間性を否定するような度を超えたものも目につく。
中国のネットスラングで、事が起こってから全てお見通しであったかのように物申す人を示す『事後諸葛亮』という言葉がある。アメリカにも、日曜日に行われたアメフトの試合を翌朝司令塔気取りで批判する『マンデー・モーニング・クオーターバック』という言葉がある。プロの試合を見て自分なら、と考えるのは楽しいが、批判には守らなければならない節度があり、想像力と思いやりを忘れてはならない。
ドーハの悲劇やジョホールバルの歓喜のころに比べれば、ワールドカップ本戦出場が当たり前となり、試合結果に一喜一憂できるのは先人の熱意と努力の積み重ねのおかげといえる。感謝しつつ、全力を尽くすしかないスペイン戦を楽しみにしている。
(R)