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紀南抄「新宮社協の点字教室」

 神倉小学校で、点字教室が行われた。新宮市社会福祉協議会が主催し、点字ボラ「てんとう虫」の4人が4年生約70人に向けて、点字の打ち方を教えた。
 
 目が見えない人の生活とはどんなものだろうと、思いを巡らせる。普段は意識していないが、自分の生活は視覚に頼りきっている。普段行っている日常的な動作を、全て目をつむってやれと言われたら、何一つまともにできる自信はない。きっと誰かに頼って生活していくことになるだろう。
 
 そう考えたところで、ふと気がつく。自分も常に誰かに頼って生活している。電気・水道・ガスのライフライン、食料、車の燃料、日用品・衣類などあらゆる道具の製作、ごみ処理、道の整備・・・。挙げていけばきりがないほどに、何かに頼り切っている。視覚に障がいのある人はたまたまその部分が強調されがちなだけではないか。
 
 人はみんな何かが足りない。その部分を互いに補い合って生きるから社会が形成される。福祉とは特定の誰かにだけ届けるものではなく、その社会全体でみんなが安心して快適に暮らせるよう目指す考え方のことなのかもしれない。点字教室に福祉を学んだ。
 
【稜】

      11月14日の記事

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