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社説「PA設置へ地元の熱意を」

 自動車専用道路にあるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)は、ドライバーの休息や給油という役割のほか、最近では地域の情報発信や交流拠点として位置付けられているものもある。

 現在、三重県側(紀宝町~熊野市間)では国土交通省により、紀伊半島一周の高速道路の一部となる「紀宝熊野道路」と「熊野道路」の事業が進められているが、この路線にPAの設置を求めて昨年、紀宝町議会と御浜町議会は紀勢国道事務所(松阪市)に要望書を提出した。
 
 国土交通省の諮問機関の社会資本整備審議会は、新直轄方式で整備する自動車専用道路(いわゆる無料区間)に関しては、採算性の観点からPAの設置を積極的に行う必要はないとしていた。しかし、当地方の自動車専用道路の状況を見ると、紀勢自動車道の始神テラス(紀北町)以南にはPAはなく、片側1車線の対面通行が続く路線。ドライバーの休息はもちろんだが、長い区間で追い越し車線がないと、近年問題となっているあおり運転にもつながりかねず、交通安全上の問題を指摘する声もある。
 
 紀宝熊野道路は現在、用地取得・測量を順次進めているところ。「必要なものを必要な場所に」というのが現在の国交省の考え方で、要望を受けた紀勢国道事務所によると、PAを設置するかどうかは今後の検討課題という。
 
 紀宝町~熊野市間の国道42号の要所には道の駅があり、地域の情報発信の役割を担っているが、自動車専用道路が完成して"通過"されることを想定すると、やはりPAで集客を図りたい。
 
 規模は違うが東名阪自動車道にある亀山PA(亀山市)は、隣接する県営公園と一体となりハイウェイオアシスを構成。道路利用者だけでなく、地域住民も公園施設を利用できる仕様となっており、活性化に大きく貢献している。伊勢湾岸自動車道にある刈谷PA(愛知県刈谷市)も高速道路からも一般道路からも利用できる多目的なレジャーエリアだ。
 
 当地域のPAでも多目的な施設を計画し、運営する企業誘致に首長がトップセールスを仕掛けるのはどうか。そうすれば雇用創出にもつながる。また、紀宝熊野道路は、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路、熊野道路などと一体となって、南海トラフ巨大地震時の広域的防災に対応する道路ネットワークの強化を目的に計画された経緯もあり、住民の防災意識を高めるための施設があってもよいのでは。
 
 このように地域活性化を図るうえでPAは一つの起爆剤になるが、現実的に考えて、当地域へのPAはできたとしても1か所。これまでのように市町ごとに計画・要望するのではなく、3市町の首長同士の連携と、正副議長会を中心に議会も積極的にかかわり、民間団体等にも枠を広げる中で官民一体となった活動により、まずはその必要性について、地元の熱意を示していくことが大切だ。
 

      7月22日の記事

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