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紀南抄「那智の扇祭り」

 熊野那智大社の「那智の扇祭り」が営まれた。

 コロナ禍で過去2年は規模縮小が続いた中、3年ぶりに12体の扇神輿と大松明を繰(く)り出しての斎行。稚児の「大和舞」奉納に加え別宮・飛瀧神社では「御火神事」の一般拝観も解禁され、多くの人々の思いがその祭りに寄せられた。

 別宮への渡御は、神様の那智の滝への里帰りを表しているという。神様も、生まれ育った故郷が愛おしくなるものなのだろうか。水は生命の母とされ、また那智山信仰の根である。神様にとって滝は実家のような存在なのかもしれない。

 実家に帰ると、安心する。これからも頑張ろうと、少しだけ思ったりもする。生まれついた環境であるということが、その懐かしい匂いから鼻を伝って思い出される。ノスタルジーである。

 神様も、そんな風に思うのだろうか。また、実家に帰った時に親が喜ぶことを考えたら、扇祭りでは渡御した神様だけでなく、那智の滝も喜んでいるのだろうか。

 神は人の信仰によって神足り得る。だから人の手で里へ帰し、また戻していくのだろう。多くの人が祈ることも大切。一般拝観者の参列を決意した大社に賛辞を送りたい。

【稜】

      7月14日の記事

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