農家や農業団体など、収穫期など「農繁期」に人手が足りなくなって、アルバイトを雇う、という話はよくある。かつては家族総出でとか、近所の人に手伝ってもらってといった形で乗り越えていたのだろう。核家族化や高齢化が生産団体の構成員全体に広がっているのは想像に難くない。
先月、青森県のカシス生産団体がサポーター制度を作って「1日3時間手伝って」とボランティアを募集したところ、「無報酬で労働させて、販売したカシスで利益を得るのはとんでもない」とネットで批判を浴びた。
現物支給を予定していたらしいが、ネットに掲載されているチラシでは報酬のことがよく分からない。批判を受け、時給を支払うことにしたようだ。
批判はもっともだが、収穫作業体験に価値を見出せないか、と思う。有料の収穫体験というのもあるし、例えば丸山千枚田も、一定の金額をはらって会員などになってもらい、田植えや稲刈りを体験する場を提供している。もっとも千枚田については「景観保全」への寄付がメイン。
うまく付加価値を見つけられれば、人手不足の解消と普段はできない貴重な体験の提供が両立できる。検討の余地があるだろう。
(M)