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紀南抄「会社の仕事」

 会社の仕事は、労働者から名前を預かり社会に還元することだ。地方から労働力が奪われつつある今、会社組織のあり方を見つめ直す。

 映画「千と千尋の神隠し」の中で、湯婆婆(ゆばあば)という経営者が出てくる。彼女は労働の契約を結んだ相手から本当の名前を預かり、仮の名で仕事を与える。会社ではある個人によって成し遂げた仕事であっても、その権利や利益は会社に帰属する。そこで長く働いた労働者は名前を取られたことすら忘れ、会社に尽くすようになる。優秀な会社は、この名前を預かる作業を労働者に気持ちよく行わせ、かつその利益を社会に還元していくものだ。

 労働者としては自分のアイデンティティを預けたことを忘れずにいる方策が一つある。それは、辞表を書くことだ。これを書くと「やめるという選択肢がある」とわかり、自分と会社の距離を測ることができる。会社に対する反逆というよりは、むしろその会社と正しく向き合う方法の一つである。

 組織が健康的であれば、それでもなお勤めようと思うだろう。構成員が気持ちよくその名を預けられる環境か。組織を見る一つの指標と心がけたい。

【稜】

      4月25日の記事

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