紀北町議会の3月定例会が閉会し、コロナ対策や来年度の当初予算を含めた全議案が可決された。一般会計の当初予算から汐ノ津呂排水機場の事業費を削除する修正動議が出されたが否決され、事業執行にあたって住民の意見を反映することなどを盛り込んだ付帯決議が可決された。
町の重要課題である相賀の水害対策に〝待った〟をかける形となる修正動議が出される、という話を聞いて、正直なところ意外に思った。事業について説明があった2月の全員協議会では、排水能力やメンテナンスの対応などの質問が多く、事業の是非自体は特に問題になっていない、という印象があったからだ。
修正動議も付帯決議も、町にとって重要な事業だからこそ住民の声をよく聞いて進めていくべき、という意見だと理解している。特に今回の排水ポンプの増設で水害対策の能力は確実に向上するものの、尾上町長が「過去にあった記録的な大雨には太刀打ちできない」と認めており、避難計画や発災時の対応などソフト面の充実も図らなければならない。行政と住民が一丸となって災害に備えていくためにも、今後は積極的に説明会を開いていくことが求められる。
(R)