子どもから学ぶことは多い。
桃の節句の3月3日に、丹鶴幼稚園のひなまつり会を取材させてもらった。その中で二択クイズがあった。「ひな人形は何をしているところか」「おひな様が持っているものは」「ひし餅の色で白は何を表しているでしょうか」など8問について、正解と思うカードを持っている職員のところに園児らが分かれて正誤発表を待った。
そこで驚いたのが、正解した園児らの喜びようだった。二択クイズで正解しただけで、びっくりするほど「いえーい」と大はしゃぎ。飛んだり跳ねたり、となりのお友達と抱きしめ合い喜びを分かち合ったり。一瞬カメラをかまえるのを忘れて見とれてしまった。
ここに、幸せの全部があると思えるほどであった。園児にとっては二択クイズに正解することが社会的にどれだけの価値があることなのかなどまるで関係ないのだ。ただ、正解がうれしい。その前まで紙芝居でじっとしていなければいけなかったこともあるかもしれないが、ただただ飛び跳ねてうれしさを分かち合いたい。それだけなのである。
「元子ども」の大人もみんな、実は幸せのコツを知っているはずだと思った。
【稜】