「尾鷲高校まちいく」の最終発表会がこのほどあった。尾鷲甘夏と防災について自分たちの意見を熱心に述べていた生徒は格好よく、頼もしくも思える。
甘夏の活用法では、生徒からは酸味を生かしたかき氷、レアチーズケーキ、大福の提案があった。甘夏シロップに泡状のクリームをトッピングするエスプーマかき氷を選んだことに生徒の工夫を感じる。自発的にレアチーズケーキを試作した男子生徒は「妹のバレンタインデーの菓子作りに便乗しただけ」と話していたが、その積極的な姿勢が素晴らしい。
紀北町のテーマは防災力向上で、どのグループも毎年2割前後にとどまる防災訓練の参加率を問題視していた。家族で参加しやすい防災スタンプラリーは、従来の避難訓練とは趣旨が異なるが、避難所や避難経路を確認してもらうのに役立つ。女子生徒のみのグループは女性目線の防災対策だけでなく、被災時の性犯罪被害の防止策も提案した。
毎年高校生がさまざまなアイデアを出しており、それを少しでも形にできるのが理想的。例えば、甘夏のかき氷は海洋深層水の活用も狙える。夏場のイタダキ市や港まつりでの販売は十分に検討する価値がある。
(R)