年明け早々に、コロナ禍で世界のトップ10の大富豪の資産が倍になったというニュースが出た後、1月19日に大富豪102人が「私たちに課税を」という書簡を発表したと話題になった。税制が「富める者がより豊かになるよう意図的に設計されている」と批判し「富裕税を導入すべき」と提言したそう。
「うらやましい限り」と思う人は多いのではないか。税制が富裕層に〝意図的に〟有利になっているかはともかく、金持ちの所に資金が集まるのは構造的な問題。例えば1%資産を増やす大変さが同じとして、資産100万円の人が1万円増やす間に、100億円持っている人は1億円増やせる。
経済のグローバル化、大規模化、デジタル化などの社会変化のため、旧来の税制では不都合が起きていたり、タックスヘイブンの問題があったり是正すべき仕組みもある。国内では実効税率格差も問題になっている。
16日から確定申告の受け付けが始まる。「金持ちはずるい」という気持ちとは別にして、一人一人がしっかりと納税者としての役割を果たす必要がある。一方、国税当局には、一般の国民が不満を持たない課税、手続きを心掛けてもらいたい。
(M)