紀北町長島の紀伊長島郷土資料室で、第21回企画展「よみがえる郷土の姿~収蔵地図からみえるもの~」が開かれている。2月27日(日)まで。
紀伊長島地区の江戸時代から平成までの地図8点を展示。昭和30年発行の長島町観光地図では、現在の多目的会館の場所に当時の長島町役場があり、長島劇場や三河劇場といった映画館、長島と錦を結ぶ巡航船や江の浦での真珠養殖、赤羽から名倉を結ぶ材木を運ぶトロッコ線などが確認できる。
また、昭和50年代後半に制作されたとみられる熊野灘レクリエーション都市整備計画図によると、三浦に魚操博物館や植物園、名倉に港湾センター、海野にリゾートホテル群など、当時は数多くのレクリエーション施設の構想があったことが見てとれる。
このほか、江戸中期の長島浦の様子が描かれた長楽寺に伝わる古地図、明治維新による地租改正の地券発行に伴う出垣外の地引絵図、明治時代初期の長島から木本までの浦や村の名前が書きこまれている「紀伊之国牟婁郡之内」、終戦直後の上水道建設として評価を受けた長島の上水道の布設図、紀伊長島町に名称が変更している昭和46年の住宅図、平成6年に立ち上げられた東紀州地域活性化事業推進協議会が発行した熊野古道現況図が展示されている。
浅原俊昭主事は「さまざまな時代の地図を見ることによって、町や産業の移り変わりや、当時の人々の営みをうかがい知ることができるので、興味があれば足を運んでほしい」と呼び掛けている。
開館時間は午前9時から午後5時まで。月曜日と祝日は休館。問い合わせは、紀伊長島郷土資料室(0597-47-3906)。