昔は好きなものばかり食べていたが、ここ数年なるべく行事にそった食事を楽しむようになった。年末年始は食に関するイベントや言い伝えが目白押しで、今季もかぼちゃ、チキンにケーキ、年越しそば、おせちにお雑煮と食べ続けてきた。普段の食事はワンパターンになりがちだが、食事から季節を感じられて、食にまつわる先人の知恵や歴史を感じられるのがよい。
7日には七草がゆをいただいている。年末年始のごちそう続きの胃腸を休ませ、野菜が不足しやすい冬に栄養をとる、実に考えられた風習だと思う。七草にもそれぞれ「競り勝つ(セリ)」「なでて汚れを除く(ナズナ)」「仏体(ゴギョウ)」「繁栄がはびこる(ハコベラ)」「仏の安座(ホトケノザ)」「汚れのない清白(スズシロ)」という意味があると聞くと、いっそう体によく、さらにおいしく感じられる。
オミクロン株の影響か、一時的に抑えられていた新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、第6波の到来という声も聞く。我慢の時はまだ続くが、心身ともに健やかに過ごしていくためにも、身近にある楽しいことやすてきなことを見いだしていく知恵と工夫が肝要となる。
(R)