串本太地道路の起工式が25日に行われた。来賓らはあいさつの中で「少しでも早い完成を」などと呼びかけていた。
完成により見込まれるのは、まず医療機関へのアクセスの向上。市立医療センターの産婦人科医の後任がいまだ見つからない新宮市や周辺地域にとっても希望となるだろう。高速道路は一朝一夕でどうこうなる話ではないが、仮に産婦人科医が見つかったとしても医師の人材不足には変わりがない。
また、同道路による災害時の交通確保も大きい。串本町から太地町までの地域は42号が唯一の幹線道路だが、急カーブなど線形の厳しい箇所が多数存在し、被災による通行規制は平成27年~令和1年の5年間で計11回起こっている。南海トラフ大地震時には、津波により42号の8割が浸水し、通行不能となることが予測されている。
最後に大きい効果が期待されるのが、広域周遊観光の支援。同道路を含む近畿自動車道紀勢線が整備されることによって紀伊半島の観光地を結ぶネットワークが形成され、利便性が向上する。
良いことばかり語るのはあまり良くないないが、それでもこの道路は地方の光明になると思う。
【稜】