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社説「コロナと共存も 前進を」

 令和3年を振り返ると、前年同様、新型コロナウイルスという見えない"敵"との闘いが続いた。ワクチン接種が進んだ10月以降、全国的に感染者数は落ち着きを見せているが、このところ「オミクロン株」への感染が少しずつ広がり、感染経路が不明な「市中感染」も大阪や京都で相次ぎ確認された。変異株に対して国は水際対策を厳重に講じていたが、人の移動や会食の機会が増える年末年始を目前に、懸念されていた事態が表面化しはじめ、国や各自治体は「第6波」への危機感を募らせている。

 新型コロナの流行から約2年。自粛による人々のコロナ疲れは相当なもの。さらに経済への影響もこれだけ長引き、出口が見えない状況では、歯を食いしばって頑張っている各種事業者の我慢も限界に近い。コロナ禍で生まれた、マスク着用や手指消毒にうがい、密集・密接・密閉の3つの密を回避することを基本とした「新たな生活様式」は、かなり浸透したものの年末年始に油断することなく、来る側も迎える側も一人一人がこれを徹底することが感染拡大を抑える最善策になる。特にこの地方は医療体制が脆弱であることを忘れないでもらいたい。
 
 コロナ終息を願う人は多いが、感染者が増え続けるヨーロッパなど世界各国の状況を見ても完全な終息を見通すのは難しく、これからはワクチン接種や、開発された飲み薬などで、コロナとうまく付き合っていかなければならないのだろうか。
 
 令和4年は感染予防と経済再生を両輪で進めることが求められる。過去2年、地域のイベントや祭りなどは軒並み中止や規模縮小になった。そんな中、「次こそ」と待ち望む声は多く、主催者側も何とか開催できる方法を考えていくことが必要。小さな集落の祭りなどは、これ以上中止が続くようだと廃れてしまうおそれもある。自然災害からの復興と同じように、教訓を生かしながら一歩ずつ前進していけるはずだ。
 
 また、この地方の基幹産業の一つである観光の復活も至上命題。国の観光支援策「GoToトラベルキャンペーン」の再開は年末年始の感染状況を見極めて判断するとしているが、まずは近場観光(マイクロツーリズム)の一層の推進に官民一体となって取り組んではどうか。その際、観光関連だけでなく、あらゆる業種に恩恵が回るよう制度設計で工夫してもらいたい。
 

      12月24日の記事

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