「信なくば立たず」という言葉がある。政治家の信条として語られることもある。国民の為政者への信頼がなければ、国家も人も成り立たない、と解釈されている。コロナ禍が長引く現状、行動制限しか有効な手立てが打てない状況で、緊急事態の宣言と解除が繰り返されることに、政府への信頼が大きく損なわれていると感じる。
前政権からの疑惑への不誠実な対応で批判が出ている中でのコロナ禍。対応そのものの良しあしよりも、説得力のある発信ができなかったことで「民」(国民)の信をなくしてしまった。
現在、自民党総裁選が行われている。実質的に次の総理大臣を決める選挙と言える。これまでのようなやり方では、政権を失うことになりかねないということで、異例の総裁選となっている。
「変えよう」という動きが、国民の方を向いたものなのか、間もなくに迫った衆議院選へのあせりだけによるものなのか。野党からは「表紙を変えるだけ」との批判も出ている。繰り返しになるが、政治不信が大きくなっているのは、国民を向いていない不誠実な対応が原因である。誰が総理大臣になるにしても、誠実であることを基本にしてもらいたい。
(M)
