九州に上陸し、四国、紀伊半島を駆け抜けた台風14号。18日正午ごろ尾鷲市を通過。大きな被害もなくひと安心した。
前日夕方、尾鷲市内のとある家では早々に避難していた。まだ風も強くなく、小雨程度だったが、雨戸を閉め、玄関前には土のうを置くなど、台風対策も済ませていた。
台風で毎回のように報じられるのが、対策中のけが。マスコミや行政などが早め早めの対策を呼び掛ける中、今回も沖縄県で建物の2階に上って作業していた70代の男性が風にあおられて転落し、けがをしている。
尾鷲市の土砂災害ハザードマップによると、この家の立地は土砂災害危険箇所に指定されている。今回の進路予想から考えると、当地方で風雨が強まるのが17日夜以降。18日深夜には強い雨とともに強風も吹き荒れ、大荒れになった。
「避難して損した」ではなく、「何もなくて当たり前、無事であることが何よりの成果」。突発的な災害への対処は難しいが、台風ならだいたいの見込みが立つ。しなくてもよいけがはしない、落とさなくて済む命は落とさない。自宅の立地を踏まえた早めの対策、早めの避難が被害を最小限に抑えることにつながる。
(J)