国体が中止となり、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の中、熊野尾鷲道路II期の尾鷲南—尾鷲北間5.4キロが静かに開通した。
尾鷲市内の国道42号は、4車線ながらも信号機が多い。加えて南海トラフの理論上の最大クラスの地震を想定すると、海抜10メートルほどの坂場交差点や中川橋付近の2か所、合わせて1キロほどが津波浸水区域とされており、自動車専用道路が津波浸水予想区域を回避することは、地域にとって大きい。
尾鷲の中心市街地への緊急救護ルートや緊急物資輸送ルートも北インターだけではなく、防災拠点のある光ヶ丘方面、尾鷲南インターの3方向から入れるようになるほか、輪内や熊野市方面にも直接入れるようになる。
国道42号を走っていると、4車線の市街地区間で左側から猛スピードで強引に抜いて前に割り込むなど、とんでもない運転をするやからがいるが、これらが熊野尾鷲II期を通過することで、42号の危険運転が減るのではないか。
開通によって尾鷲の経済の落ち込みが懸念される。新型コロナが収まった後に目的地になるよう、さまざまな取り組みの強化を。これが本当に最後のチャンスである。
(J)