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紀南抄「遺族会も後継が課題」

 戦後76年目の夏、今年も「終戦の日」の15日、新宮市戦没者慰霊祭が熊野速玉大社境内で行われ、取材した。コロナ禍のため、昨年に続き遺族会から3人の代表と事務局だけの参加にとどめ、来賓等の出席は求めずに行った。全国各地のほとんどの式典でも規模縮小で行ったことが報じられていた。
 
 参列した遺族に話を聞くと、何年たっても家族や親族を失った悲しみが癒えることはなく、ただただ世界平和を願うばかりとのこと。そしてもう一つ気になったのは、遺族会の高齢化が進み、今後の会の運営が心配という言葉だ。
 
 戦争経験者が年々少なくなり、近年は当時の様子を次世代に語り継ぐことが大きな課題とされている。同様に遺族会も継承していく難しさに直面している。新宮市遺族会の現在の会員は約100人だが、高齢化が進み、最も若い人で76~77歳という。実質的な活動といえば、「終戦の日」の慰霊祭だが、祖国のために命を落とした英霊を悼み、恒久平和への誓いを新たにする機会となる大切な催しで絶やすわけにはいかない。子世代や孫世代も会に参画し、遺族らの思いを継承していく必要性を感じた。 
 
  【F】

      8月17日の記事

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