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紀南抄「戦争と平和を考える夏」

 76年前の夏、日本はどんな光景だったのだろうか。6日の広島、9日の長崎の「原爆の日」に続いて、間もなく終戦記念日を迎える。私たち日本人にとって8月は、戦争が終わったという特別な感情を抱く月でもある。

 母校の中学校は平和教育に熱心な学校だった。夏休み中には6日に登校日があり、広島への原爆投下の時間に合わせて全校生徒で黙とうを捧げた。旧新宮市民会館で戦争映画の上映を見た記憶もある。修学旅行では、平和を願うTシャツを1人ひとりデザインして作成し、それを着用して広島の平和記念公園を訪れた。他校の東京ディズニーランドをうらやましく思ったものだったが、今となっては事前学習を含め、なかなか訪問する機会のない広島への修学旅行はとてもいい経験になったと感謝している。

 日本の戦争は終わったが、世界にはまだ武力紛争が起こっている地域がある。戦禍を振り返り、2度と悲惨な歴史を繰り返すことのないように平和を訴え続けていくことは、唯一の被爆国としての私たちの責務であると思う。今年の夏、いま一度戦争と平和について考える機会としたい。

【織】

      8月 7日の記事

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