記者をしていると、「裏方」の人たちとお話させてもらう機会がしばしばある。
新宮市新型コロナワクチン接種推進室に先日、取材でお邪魔した。今月7~8日には優先接種者のワクチン接種が一通り完了し、一般の接種に移行する。そのワクチン接種体制をひとえに担っているのが同推進室だ。
取材の帰り際、ワクチン導入初期よりも仕事の具合は落ち着いたか尋ねると「次からは一般接種も始まり、集団接種の頻度・回数で言うと増えている」と話した。集団接種は土・日に行われるため、当然彼らはその日も動く。きちんと休めているか心配だ。
太地町立くじらの博物館では、企画展「博物館はみんなの教室」を実施している。担当の学芸員の方には、興味深い話をいくつも聞かせていただいた。花形のクジラショーの裏で博物館を陰ながら支え、その中で「博物館は何のためにあるのか」という問いと向き合い続けているようにも感じた。
根を深く張るから、木は上に大きく育つ。政治も経済も文化も、見えているものはほんの一部分にすぎない。表も裏も同様に大切。人々の地道な活動が社会そのものを形成し動かしている。
【稜】