三重県が、新たな県立学校の設置を模索している。県戦略企画総務課によると「設置の是非を検討している段階」。背景には、県内の高校を卒業して大学に進学する人数に対し、県内の大学の定数が約4割(令和2年度)と全国的に低位ということがある。同課によると、文科省が調査を行った平成27年時点で全国ワースト3位だったという。
少子化の半面、大学が増え、全入時代と言われ、なおかつ、文部科学省から「大学教育水準とは見受けられない授業科目がある」と指摘される学校がある状況。収支が成り立つのかや、大学のレベルが維持されるかといった懸念がある。
東紀州地域の事情では、専門学校を含め高等教育を受けるために、基本的に地域外に転居しなければならない状態がある。授業の合間に若者が街に出れば、若者向けの商店なども増えて活気づく。公開講座などで地域の住民の知的好奇心も引き上げられるだろう。
一方、実験・実技を除き、場所にとらわれずに学べる時代になっている。収支が成り立たなければ税負担になってしまう。もし、設置を考える場合は、オンラインも含めた、今の時代にあったあり方を検討してもらいたい。
(M)