三重県のまん延防止等重点措置が解除された翌日、飲食店が多い野地町に足を運んだ。午後8時以降も店を開け続ける明るいまちを見て、ほっとした。「四日市、津に続いて酒の消費が多い」といわれた時代とは比べようもないが、路地の両側に店が連なるまちなみには華やかな活気が似合う。
いくつか店を回ったが、月曜日ということもあり、客足が戻るかはまだ分からず。共通していたのが「先週末から振興券を使う客が来てありがたい」とのこと。
尾鷲市が発行した地域振興券を確認すると、地域応援券には便石山の像の背、共通券には熊野古道の石畳の写真を掲載している。商工観光課によると、SNSのフォトコンテストの作品を使用したもので、積極的に活用していこうという姿勢は好印象。
商品券の支給は生活支援とともに、疲弊した地域経済を活性化することがねらい。「景気」は実体経済だけでなく世間の雰囲気までを含めた経済の動きのことだが、大日本国語辞典によると、もともとは気配や有様のほか、元気で威勢がよく活気にあふれていることを示す言葉。商品券を使ったちょっとした贅沢が地域を明るくするきっかけになる。
(R)