紀南地方の梅雨明けはまだしばらく先になりそうだが、7月に入ると間もなく台風シーズンを迎える。今年は紀伊半島大水害から10年目を迎える。いつ起こるとも分からない災害に備え、日頃からの準備や訓練、心構えが重要となってくる。
先日、紀宝町立相野谷中学校で、生徒と相野谷小5・6年生が避難所設営を体験し、簡易ベッドや間仕切りなどを協力して組み立てた。避難所の設営や運営には若い力が必要不可欠だが、高齢化が進む相野谷地域では若者が極端に少ない。そこで子どもたちも地域の一員として活動に参加できるようになろうと計画された。
中学生や小学校高学年となると、立派に大人の手伝いができる年齢。避難所生活の中では力仕事でなくても、掃除をする、支給品を配る、小さな子と遊んであげるなど、サポートできることはたくさんある。自主防災組織の「自分たちのまちは自分たちで守る」という精神を受け継いで、積極的に自分にできることをやってほしいと思う。子どもたちががんばっている姿はきっと、被災者に希望と笑顔を与えてくれる。
【織】