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社説「危機管理意識 常に持って」

 先週9月25日の局地的豪雨。気象庁のレーダーの解析によると、新宮市などで1時間に120ミリを超える雨を観測した。大粒で音を立てて降る状況に、9年前の紀伊半島大水害を思い起こした人もいたのではないか。それほど猛烈な雨だった。

 新宮市内では住家で床上浸水16件、店舗の浸水21件の被害があり、御浜町では、阿田和にある中央公民館の1階が浸水、数日間臨時休館して後片付けに追われた。那智勝浦町や紀宝町では河川の護岸が崩れるところも。このほか、道路の冠水は至るところで発生し、交通に支障をきたした。
 
 あのペースであと数時間降り続けたら、河川の氾濫や土砂崩れが多発してもおかしくなかった。ここ2年ほどは台風や豪雨の直接的な被害は免れているが、いつでも発生し得ることがあらためて分かった。台風シーズンはまだ続くことから、心の備えは常にしておかなければならない。
 
 新宮市防災対策課は、台風であれば数日前から事前行動計画を立てやすいが、今回のような突発的な豪雨の場合、市民に避難行動を呼び掛けるタイミングは難しいと明かす。猛烈な雨の中で避難所に向かうより、自宅の2階など近くの高い場所への垂直避難を促す方が良いとの考えで、今回も庁内で検討した結果、避難に関する情報は発表しなかった。
 
 その考えは理解できるものの、ケースに応じた避難方法について、繰り返し市民に広報していくのも仕事。広報紙や回覧板等で「いつも載っている」と市民に思わせるぐらい浸透させるべきでは。
 
 また、市街地の幹線道路である国道42号であれほどに冠水すれば、救急車をはじめ緊急車両の通行は大丈夫かという不安もある。市は道路管理者である国土交通省に排水機能を強化するよう要望を出すべきで、国交省も代替道のない「命の道」であることを踏まえ、対応してもらいたい。
 
 危機管理という部分では、新型コロナウイルスの感染予防にも引き続き努めなければならない。9月後半の4連休、当地域の観光施設などは徐々に人出が戻っていた。
 
 停滞した地元経済を回復させるには観光客を呼び込むのは自然な流れだが、一人一人の気持ちの緩みには気を付けたい。マスク着用や手指消毒は新しい生活様式の基本。来る側、迎える側双方の高い意識で、感染者を出すことなく、地域全体で感染予防と経済活動を両立させていくことが大切になる。
 

      10月 2日の記事

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