盆休み前、県外に住む釣り好きの友人から「尾鷲の雰囲気はどうか」との電話があった。もともと尾鷲によく来る人で、来ると必ず立ち寄る料理店もある。盆休みに今まで自粛していた釣りをしたいが、やはり現地の反応は気になるらしい。せっかくなので一緒に食事でもどうか、とも思ったが、今回は見送ることにした。結局、食事と買い物はせず、釣りだけして帰っていった。

 

　観光客の受け入れについて、もともとポイ捨てや路上駐車などの問題があったところに、感染症への不安が加わって、いよいよ看過できなくなった側面があると思う。観光関係者は消毒や連絡先の確認など感染症対策に積極的に取り組んでいるが、業者や施設を利用しない人たちは把握しにくい。そもそも観光用に管理されていない場所を利用すると、どうしても駐車場やトイレ、ごみ捨てなどでトラブルが起こりやすくなる。

 

　春先から観光関係者を取材する機会が多かったが、「常連客を断らなければならないのが辛い。申し訳ない」という声をよく聞いた。まっとうに感染症対策に取り組む業者と、この地域に愛着を持つ常連客が割を食う現状に、不条理を感じている。

 

　　　　　　　（Ｒ）