「ソーシャル・ディスタンス」「ロックダウン」…コロナ禍の中で、一般的ではないカタカナ語が飛び交う。だが、このカタカナ語の洪水は今に始まったことではない。理由はいくつか考えられる。ひとつは、単純に格好がいいから。普段使われない言葉を使うことで、「自分は外国の言葉や文化を知っている」という自己顕示になる。
IT業界では日進月歩で新しい概念や言葉が生まれ、日本語に訳している暇がない。明治時代の初期、日本になかった外国の概念が入ってきたとき、啓蒙(けいもう)思想家たちは「ソサエティ」を「社会」など、訳語をつくったが、それが間に合わなくなり、カタカナ語が増えていった経緯もある。
自分の能力よりも、自分を賢く見せたいと思うことを「知性化」と言う。難しい言葉を多用する人の中に隠されている心理は、まさにこの「知性化」なのだ。しかし、このカタカナ語は本来の英語の意味とは違った誤用も多い。
最近のカタカナ語を乱用する風潮に意味が分からず困っている人は多いのではないか?誰もが分かる言葉に置き換えることができる記事を目指したい。
【茂】