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紀南抄「開拓者」

 約100年前に日本からブラジルに渡った多くの人たちがいる。1888年に奴隷制度の廃止がブラジルで実現。奴隷によって支えられてきたブラジルは貴重な労働力であった奴隷がいなくなり、労働力不足に悩むという忌まわしき歴史がある。
 
  一方で、日本はこのころ日露戦争に勝利したものの、賠償金が得られず、経済的に困窮していく。この2国の需給の一致により、皇国植民会社はサンパウロ州と契約を締結、多くの移民を日本から送り出すことに。
 
 移民者は数年働いて稼ぎを貯めたら日本に帰国するつもりで、ブラジルに渡るが、第二次世界大戦で日本が敗戦。祖国の惨状を知り、ブラジルに骨を埋める覚悟をする。荒地を開墾し、筆舌に尽くせぬ苦労を重ね、コーヒー栽培などの農地を開拓することに…。
 
 新宮市立熊野川中学校で敷地内の荒地を開墾し、畑を作り、サツマイモを植え付け、育てるという授業が展開されている。教職員と生徒、地元の住民が協働して取り組む。ブラジル移民とは規模も背景も違うが、一から畑をつくり、農作物を栽培するという過程は同じ。収穫の喜びは開拓者だけの特権だ。
 
【茂】

      5月26日の記事

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