先だって、尾鷲市立天文科学館がメシエ天体カタログのポスターを作った。専門家が全ての天体を撮影したのではなく、来館者にシャッターを押してもらったのと、同じ望遠鏡、同じカメラ、ほぼ同じ設定で撮影したのが売りという。
主に携わった天体観測指導員の湯浅祥司さんによると、インターネットを使えば各国の天文台が撮影した素晴らしい写真がすぐそろうとのこと。そのような「お手軽」な作り方ではないのも、専門家から高い評価を得たポイントだろう。
熊野市では、三重大学の調査で、天文学の集積地になっているハワイのマウナケアと同じような夜空の暗さだったということで、ガイドマップを作って誘客につなげようとしている。
都会で星が見にくいのは、高い建物で視界がさえぎられることのほか、ネオンや街灯などの光害によるものが大きい。田舎だとその影響が小さい。開館日の多い天文台のある尾鷲の方が誘客に有利と言える。
天体観望だけを目当てに人を呼び込むのは難しい。星空プラス何か、あるいは何かプラス星空といった組み合わせを作れるか。SEAモデルの一つの素材として考えるのも面白いかもしれない。
(M)