「守りたい 森と未来を 炎から」。消防庁は、林野庁と共同で春季全国火災予防運動期間中の3月1日から7日までを「全国山火事予防運動」と定め、全国の消防関係機関で林野火災の予防対策と警戒の強化、啓発活動などを行っている。
昨年から続いたオーストラリアの山火事が記憶に新しいが、日本でも平成26年からの5年間の平均で1255件、焼失面積706ヘクタール、損害額は57億7000万円。原因はたき火が約3割で最も多く、次いで火入れ、放火(疑い含む)、たばこで、ほとんどが人間の不注意。
尾鷲市史などによると、昭和51年2月2日に泉の山林から出火。倉ノ谷の住民に避難命令が出され、自衛隊ヘリコプター7機が出動、40ヘクタールを焼失し、30時間後鎮火した。当時、消火活動に携わった消防団員らは「招集を受けて夕方から夜通し消火活動に当たった」などと話していた。
長い年月をかけて育った樹木や、そこにすむ動物の命を一瞬で奪う山火事。一度発生すると消火が難しく、数週間にわたることも。幸い、当地方では平成25年9月以降発生していない。日本農業遺産を守るためにも、山火事のない日々が続くことを願う。
(J)