成年後見制度を広く周知し、利用を促す「新宮市成年後見制度利用促進協議会」が今年度から設立され、この第1回会議が7日、市役所別館で開かれた。田岡実千年市長から委員11人に委嘱状が交付され、現在の市の取り組み状況や今後の協議会の活動などについて確認した。
成年後見制度とは、認知症や知的障がい、精神障がいなどがあることで物事を判断する能力が不十分な人の権利や財産を守り、法律的に支援するため、代わりとなる「後見人」を選任する制度。すでに判断能力が不十分な人のために家庭裁判所への申し立てによって選任される「法定後見制度」と、本人に十分な判断能力があるうちに将来に備えてあらかじめ公正証書による契約で後見人を決めておく「任意後見制度」がある。
同協議会は、平成28年施行の「成年後見人制度の利用の促進に関する法律」に基づく施策を推進することを目的に設立。制度を円滑に利用できるよう支援体制の強化に向けて、司法・福祉関係団体や機関と相互連携を深め、地域課題の検討・調整・解決を図る。弁護士会や司法書士会、行政書士会、社会福祉士会、公証役場、障がい児者支援施設、社会福祉協議会などの代表者で構成される。会長は、市健康福祉部地域保健課の前地秀高課長が務める。
開会して田岡市長があいさつ。「成年後見制度は、特に高齢者や障がい者の権利を守り、地域で安心して生活できる環境を整えるために欠かせないもの。制度を必要とする方に適切な支援を行うため、利用促進に向けてご協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
市では今年度から、同制度利用促進の中核機関として、同市緑ヶ丘に「新宮市成年後見サポートセンター」を開設。申し立ての際の必要書類の説明や内容の確認などのサポート、困りごとの各種相談に応じ、制度の利用や必要な関係機関との連携ができるように支援している。
議事では、サポートセンターの概要と今年度の活動状況について、業務を委託する合同会社ドレッセの担当者から説明があった。広報・啓発、相談・利用支援、サポート、地域の支援体制の構築などに取り組んでおり、今後は地域の活動団体との連携強化、市民後見人養成のための体制づくりなども推進していくという。
サポートセンターは、平日の午前9時から午後5時まで開所。問い合わせは(電話0735-29-2345)。