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「消滅回避へ風穴を」 地域の存続で意見交換 センター管内

ピーク時より人口8割減
 
 尾鷲市は15日から、9つの地区センターでの懇談会を始めた。人口減少と高齢化が顕著な地域で、加藤千速市長と住民が意見交換し、地域の存続と活性化に向けて解決の糸口をつかもうというねらいがある。
 
 尾鷲市の人口はピーク時の昭和35年の半分以下となっている。特に市街地ではない地区センター管内では人口はピーク時の21.8%、昨年度末の高齢化率は68.7%と、遠くない将来に地域が存続できるかどうか、という問題が迫ってきている状態にある。
 
 
 この状況を受け、市は人口減少対策を含めた今後の地区の在り方について、市長と住民が話し合う機会を設けることにした。11月1日まで、執行部が須賀利や九鬼、早田、北輪内、南輪内のコミュニティーセンターを回っていく。
 
 初日の15日、トップバッターの曽根町では住民10人が参加。加藤市長や下村新吾副市長、三鬼望政策調整課長、湯浅大紀市民サービス課長と意見を交換した。
 
 加藤市長は「人口減少は全国的な課題だで、尾鷲も自然減と社会減が止まらないが、地区センター管内のピーク時の2割はとんでもない数字。地区センター管内で人口がほとんどいなくなるのを懸念しており、放置しておくことはできない」と危機感を伝え、「高齢化が進む中、このまちをどうやって維持し、活性化していくために議論していきたい。きたんない意見がほしい」「高齢化が進んでも、元気なまちにできるようにしていきたい。伝統的な祭りやイベントがなくなっていってしまう。この状況に風穴を開けなければならない。このままでは考える人さえもいなくなる」と述べた。
 
 下村副市長も「人口減少が進む中、これまでも過疎化対策は課題としてずっと言われ続けてきたが、画期的な対策がなかったことが現状。こうなれば、この地域に住み続けていいんじゃないか、という意見がほしい」と意見を求めた。
 
 佐野茂機区長は「つつじまつりを盛大に開いてきたが、今は規模を縮小しながらなんとか維持している状態。やめるわけにはいかない。飛鳥神社の秋の例祭も昔は御幣の奪い合いも命がけで、屋台も並び、祭りに合わせて帰省してきた人も多かったが、今では比べるまでもない」「城山公園から賀田湾を一望でき、それこそオンツツジの最盛期に来てもらえれば感動してもらえるが、維持管理の問題もある」と先行きへの不安を語りつつ、「人口減少はテーマとしてあまりに重い。大きな流れとして人口や産業が都市部に集中しており難しい話。尾鷲に住みたいという若年層がいても、家族を十分に養っていける収入がある仕事があるか、という問題が根本にあるのでは」と述べた。
 
 執行部は、具体的な対応への選択肢として、地域おこし協力隊と集落支援員について説明。特に地域おこし協力隊は、総務省がさらに増員する方針であることを示し、加藤市長は「ちょうどチャンスがきていて、今後の活性化につなげたい」と積極的な姿勢を見せ、「例えば、協力隊による城山公園や飛鳥神社などの魅力発信や集客交流などもできるのでは」と提案。三鬼政策調整課長が「地域おこし協力隊で全てが解決するわけではないが、活性化のきっかけになることもある。地域で受け入れられるか、どんなことがあるか、前向きに検討してほしい。見合った人材が来るまで、根気強く募集することもできる」と補足した。
 
 住民からは「衰退の一途を立て直すための前向きな姿勢だが、地元からの活性化のアイデアを出すのは相当難しい。行政からアイデアを出してほしい。協力隊もよい制度だが、カバーする人材が地域にいるかどうか」「活性化を考えるなら、城山公園などの観光資源を核とするしかない。若い人の移住が望ましい」「市の方から曽根の特色を生かした積極的な提案がもらえれば。これで終わりではなく、継続的に取り組んでいかなければならない課題」との意見があった。
 
 また、加藤市長は、雇用の問題について、火力発電所跡地への大型製材工場誘致に触れ、「ここがうまくいくかいかないかで、尾鷲の将来性が決まってくると思っており、一生懸命頑張っている」と語った。

      尾鷲市

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