多くの事業所で正月休み明けとなった6日、仕事はじめの行事が行われた。尾鷲市役所では約70人の職員を前に、加藤千速市長が訓示した。
加藤市長は今年の干支(えと)が乙巳(きのと・み)であることを紹介。乙は十干の2番目で「いまだ発展途上だが、成長が広がっていく状態」、巳は十二支の6番目で「植物が最大限まで成長した状態」を示すと紹介。また、ヘビは脱皮を繰り返し成長することを踏まえ「再生と変化の年」と述べ、「成長と結実の時期となる可能性が大きい」と説いた。
これを市政に当てはめ「第7次総合計画をベースにブラッシュアップ(磨き上げ)しなければいけない」と語った。
具体的施策については、給食費無料化と18歳年度末までの医療費無料化を継続するとしたほか、子どもの居場所づくりに力を入れる方針を示した。体育文化会館と公民館の耐震化・統合に関連し、現図書館のスペースに「子どものリビングルームを作る」と意欲を見せたほか、北浦児童公園のトイレ改修も進めるとした。
安全・安心施策に関連して、中井町と矢浜の津波避難タワー整備に言及した一方で、避難所運営マニュアルについて「どう(実際に合うよう)浸透させるかが課題」と述べた。
ふるさと納税は本年度、12月末までで5億円を突破し、年度中では5.6億円~5.7億円程度を見込んでいる。ふるさと納税に関する関係人口はこれまでに延べ18万人に上っているとし、つながりを生かしていきたいとの姿勢を見せた。
また、ゼロカーボンシティ、ネイチャーポジティブ、オーガニックビレッジなどの取り組みについては、1次産業を発展させるベースと述べた。
大型事業については、施設整備が本格化することから、魂を入れて活性化につなげる必要があると強調し、職員の仕事に期待を寄せた。
一方で、財政状況が厳しいことにも言及。昨年同様の予算申請では当初予算が組めないとも語り、職員に意識改革を促した。
全業務 町の発展に必要
紀北町 職員一丸呼び掛け
紀北町では午前9時、2階会議室で仕事始め式が行われ、職員36人が参加。尾上壽一町長は、「安全・健康・活力・学びのまちづくりに、職員一丸になって努力を重ねてほしい。明るく、元気に、前向きに、知恵をしぼって楽しんでほしい」と呼び掛けた。
尾上町長は、地域防災力の強化、紀北健康センターなどの活用、銚子川や熊野古道を生かした観光事業の推進や環境教育の保全、結婚から出産・子育てまでの絶え間ない支援など具体的な施策を挙げた上で、「少子高齢化社会への対策、デジタル化の推進、各種イベントなど、みんなが協力し合い、一丸となって取り組んでいかなければならない課題がたくさんある」「みなさんが普段から取り組んでいる業務には、紀北町の発展に必要ないものは一つもない。すべては住民目線で、すべては住民とともに、町民の声に真摯に耳を傾けてほしい」と語った。