南紀熊野ジオパーク推進協議会はこのほど、エリア内の民話を題材にした絵本「南紀熊野の民話 彦五郎の堤」(縦24センチ、横21センチ、全18ページ)を制作した。
この絵本は和歌山県立熊野高校サポーターズリーダー部の生徒たちが防災学習を兼ねたジオパーク学習を行いながら制作に関わった。絵本の中には学習の様子をまとめたページも入れている。
絵本の特徴は、まず、本物から写し取った大地や植物の質感が挙げられる。民話の舞台になっている場所にある石や植物の上に紙を置いて、鉛筆で凸凹をこすり、模様を写し取る「フロッタージュ」という技法を用いて、岩や植物の質感を表現している。民話の舞台で、ジオパークの見どころである彦五郎堤防を、写真や図を交えて分かりやすく解説している。また、文面は上富田弁で記載し、地域の言葉との比較ができるようにしている。
子どもの頃から、南紀熊野ジオパークを身近に感じ、興味をもってもらえるよう工夫を凝らした一冊で、南紀熊野ジオパークエリア内の小学校(40校)、保育園や幼稚園(37園)、図書室(館)等に今月下旬から順次配布する。
また、21日(月)~5月25日(日)の期間、南紀熊野ジオパークセンターでは原画展を開催する。絵画絵本6点と説明用パネル1点で、原画は岩や植物の上に紙を置いて、鉛筆等で模様を写し取った素材を使っているのが特徴。原画は新宮市立熊野川中学校美術科教諭の大江みどりさんが担当した。
なお、絵本冊子は南紀熊野ジオパークのホームページにも掲載している。問い合わせは、南紀熊野ジオパーク推進協議会(電話0735-67-7100)。