「日本優秀映画祭in南紀熊野2024」(那智勝浦町優秀映画鑑賞推進事業実行委員会主催)が9月21日(土)、那智勝浦町体育文化会館である。往年の名作として、午前10時から「雨月物語」(1953年)、午後1時から「羅生門(デジタル復元版)」(1950年)を上映する。町民でなくても、誰でも鑑賞できる。事前申し込みは不要。
同映画祭は、那智勝浦町民に優れた映画の鑑賞機会を提供すると共に、那智勝浦町の芸術文化の向上・発展を図り、同町の優秀映画鑑賞推進事業として行うもの。
「雨月物語」は、上田秋成の短編「浅茅ヶ宿」と「蛇性の淫」を原作に、欲望と幸福、戦争と平和といった、いつの時代にも通じる普遍的な主題を、戦国時代の二組の夫婦を通じて対照的に描いた作品。霧に覆われた湖を行く船や朽木屋敷の描写など、溝口健二監督の美意識が随所に感じられる一作。
「羅生門」は、森の中で起きた殺人事件をめぐって、8人だけの登場人物で演じられる不条理劇。芥川龍之介の小説「藪の中」に「羅生門」を加え、黒澤明監督が手掛けた。絶対真理の不在と人間不信の主題は戦後間もない欧米で評価され、翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを取得、またアメリカ・アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した。
鑑賞料は個人500円、3人以上10人以下の団体(当日受付で簡単な名簿を提出する)は1000円。