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「九里峡ものがたり」盛況 18日まで熊野本宮館で開催中

太鼓演奏も勇壮に
 
 昨年2月に逝去した見臺洋一(けんだい・よういち)さんの一周忌にあたり、追悼の意を込めて見臺さんの墨絵作品の個展「九里峡ものがたり」が18日(日)まで、田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で開かれている。11日には熊野市飛鳥町の出身の見臺さんと関係のある和太鼓「熊野鬼城太鼓」の特別演奏があった。

 見臺さんは1936年(昭和11年)3月、熊野市飛鳥町で生まれた。音楽を愛し・鼓笛、バンド、クラッシックギターを指導。古澤巌(バイオリン)・鼓童(和太鼓)・関西フィルハーモニー・吉田兄弟(三味線)・山の音楽祭・雅楽等のコンサートを開催し、生の音楽の素晴らしさを伝えた。1986年から2022年まで、地元に密着したタウン誌「かまん・くまの」を発行。また、さまざまなアウトドアの企画なども運営、小学生や中学生を対象とした「遊学校(ゆうがっこう)などを通して多くの人たちが熊野の大自然を学んだ。2023年2月6日に亡くなった。

 展示「九里峡ものがたり」は、熊野川の川岸に座って、九里峡の墨絵を描き続けたもの。作業は2008年10月から「川行脚(かわあんぎゃ)」として始めた。全43点の連作で、2011年9月の台風被害前の川の様子を絵にとどめており、水害前の生命力に満ち溢(あふ)れていた川の表情を見ることができる。

 特別演奏では、熊野鬼城太鼓が「九里峡(世界遺産)」を披露した。同団体は、イベントや式典の始まりに披露する「寄せ太鼓」をその時々に合わせて開会即興演奏し、熊野を題材にしたものが多い。この日は熊野川をバックに堤防沿いに演奏を行い、来場者を楽しませた。

 関係者とともに個展の会場の設営に携わった見臺さんの娘・田中香織さんは「熊野川の蛇行の雰囲気を右岸左岸と川沿いにたどる配置としました。今日は太鼓の演奏もあり演奏を楽しんで父の好きだった素晴らしい音楽を皆さんで楽しんでいただければ」と母・裕子さんとともに受付で来場者に呼び掛けていた。

 那智勝浦町宇久井の芝先隆さんは「見臺さんが描いた、墨絵の世界、熊野川をたどるように描く絵を楽しめました。また太鼓の音色が熊野川に響いてよかった」と話した。

 かまん・くまのの担当者は「墨絵は未発表作品。一周忌も兼ねて、見臺さんの芸術作品をぜひ多くの方に見ていただければ」と伝えている。

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