尾鷲市から和歌山県御坊市に至る国道425号は、1981(昭和56)年に国道へ昇格した。紀伊半島の東西を結ぶ幹線道路がなかったため、この決定は地元の悲願が実った歴史的瞬間だった。
当時の尾鷲市長は長野勝明さん。尾鷲の海産物や木材を最短で関西圏に送り込み、同時に関西からの観光客や物資を呼び込む「東西を結ぶ経済の大動脈」の実現を目指した。
その大局的な狙いは45年たった今、尾鷲北山広域道路の議論へと受け継がれている。物流や観光の連携強化と災害に強い交通網の構築を目指す。
そうした折、昨年復活した国道425号整備促進同盟会の総会が尾鷲市で開かれた。紀北町と奈良県上北山村、下北山村の4市町村で組織する。隣同士とはいえ県境を越えて集まったのに、何一つ発言がなかった。工事の進捗や国県への要望活動の戦略を議論するなど「来てよかった」と思える、実のある総会が求められる。
地域の期待を実現するには、住民や産業界を巻き込む広報や関心を引く議論を続けることが必要ではないか。
(N)
