新宮市議会3月定例会最終日の19日、189億4074万9000円の2026(令和8)年度一般会計当初予算案を可決した。来春に小中高校に入学する児童生徒をもつ世帯に子ども1人あたり5万円を支給する「子育て応援入学等準備支援給付金」と、26年度に満18歳となる新成人に1人あたり30万円を支給する「新成人応援給付金」の予算が盛り込まれている点に異議を唱え、2人の議員がそれぞれ修正案を提出したが、賛成少数で否決となった。
各議員が討論で思い伝える
19日の本会議では、両委員長の報告のあと、福田讓議員が「新成人応援支援金」の予算分を全額削除する修正案を提出。提案理由説明で「予算編成は常に公平公正を堅持することが求められる。新宮市の生活水準とは大きくかけ離れた金額で看過できない。進学や就職は人生における恒常的に発生する節目や出来事で、物価高騰による緊急的な事案とは性質が違う」と述べた。
次に、月輪匡克議員が「子育て応援入学等準備支援給付金」を5万円から1万円に減額する修正案を提出。ここ数年で子育て支援が拡充されていること、緊迫した世界情勢の影響でガソリン価格高騰など市民生活に大きな影響が出ていることなどを挙げ、「市民全体の納得を得られるのか、公平性の観点から判断しなければならない」と述べ、修正案は「子育て支援を否定するものではなく、持続可能な形に整えるもの」と説明した。
福田議員の修正案に対し、三栗章史議員が反対、月輪議員が賛成でそれぞれ討論した。
続いて、原案に対する討論では、大坂一彦議員が賛成の立場で「新成人応援事業と子育て応援準備支援金については、やはり昨今の国内外の不安定な情勢を見ると不安を覚える。まさに今、紛争で急激な原油高とガソリン価格の超高騰、このうえ更なる物価高の懸念がなされる現在、このような状況下では今後国からの交付税措置が現状のまま継続されるかどうか、疑問。先々の本市財政が憂慮される。この事業の執行にあたっては、先の補正予算に付帯決議なされた、安易に基金を取り崩すことがないよう健全財政に努めること、この地元に給付金が還元され、地域経済の活性化に寄与する事業とすることをあらためて伝え、この取り組みが子育てするなら新宮市の呼び水となり、本市への移住の促進を高める機会となり、人口の増加、活力ある新宮市になるよう努めてほしい」と述べた。濵田雅美議員も賛成討論。大坂議員と同様に補正予算での付帯決議に触れ「議会として明確な意思が示されている。物価高騰や財政状況の悪化など、現在の厳しい社会情勢を鑑みれば、これまで以上に丁寧で慎重な対応が求められる。付帯決議の趣旨が今後の事業実施で確実に反映されるよう強く求める」と訴えた。
大西強議員も賛成。「議会審議での答弁を通じて、市長は現在の財政状況と、将来の財政不安要素に十分留意したうえで提案したことには納得することができた。新成人応援に反対することは、当初予算全体を否決することになり、市民生活に重大な影響を及ぼす。健全な行財政の維持に取り組んでもらうことを信じて賛成する」。竹内弥生議員も賛成とし、当局の予算編成では公平・公正を意識して、高齢者にはタクシーチケット配布や水量料金減免などの施策を出しているとし、「優秀な職員が単年度予算の中身を決めて、市民が安心安全で暮らせる原案を作ってきたと思う」と述べた。
このあと、各議案について順に採決した。 この2つの事業を巡っては、今月6日の本会議で、今春に小中学校に入学する児童生徒をもつ世帯と、25年度に満18歳となる新成人に支給するための予算を計上した25年度一般会計補正予算が可決。その後、当初予算案は分割付託となった総務建設、教育民生の両常任委員会で審査していた。
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採決結果は次の通り。敬称略。
■福田議員提出の修正案
【賛成】
大石 元則、月輪 匡克
福田 讓
【反対】
大西 強、大坂 一彦
湊川 大介、濵田 雅美
百村 匡洋、𠮷良 康利
竹内 弥生、中山 忠吏
榎本 友子、榎本 鉄也
三栗 章史
■月輪議員提出の修正案
【賛成】
月輪 匡克、福田 讓
【反対】
大西 強、大坂 一彦
湊川 大介、大石 元則
濵田 雅美、百村 匡洋
𠮷良 康利、竹内 弥生
中山 忠吏、榎本 友子
榎本 鉄也、三栗 章史
■原案の採決
【賛成】
大西 強、大坂 一彦
湊川 大介、大石 元則
濵田 雅美、百村 匡洋
𠮷良 康利、竹内 弥生
中山 忠吏、榎本 友子
榎本 鉄也、三栗 章史
【退席】
月輪 匡克、福田 讓
