尾鷲神社の例大祭、ヤーヤ祭りは5日、午前9時30分から神社で祭礼が行われた後、正午から夜にかけて道中行列や大弓の儀、獅子出御などが行われた。この冬一番の寒波に見舞われ、雪の舞う中での行事となったが、子どもから一般まで多くの人が参加し、にぎわいを見せた。
昨年は新型コロナウイルス感染症の影響が低下したものの雨で道中行列が6日に順延となったが、今年は5年ぶりに5日に実施。矢浜の神楽を先頭に、尾鷲節やさまざまな踊り、祷務町の野地町と南町の大名行列などが、1時間半ほど掛けて熊野街道を南から北へ巡行。神社の境内でも奉納を行った。薄着の衣装の子どももいて、寒さに肩をすくめながら一生懸命踊っていた。
呼び物の長刀振は野地町の座禮希翔(まれと)君(尾鷲小4)と南町の東弦汰君(同)が担当。顔には歌舞伎風の隈取を施し、独特の衣装を着て、緊張した様子で「よいしょ」の掛け声に合わせ、約2メートルある長刀を力強く振り下ろした。
大弓の儀は午後7時から行われた。気温は0・8度と厳しい冷え込みだったが、両祷務町の関係者や多くの若者らが見守る中、野地町の内山雄介さん(尾鷲中1)、南町の仲祐成さん(尾鷲中3)が、2射ずつ7回、14メートル離れた37センチ四方の的を狙った。的に当たると太鼓が打ち鳴らされ、弓場を取り囲んだ若衆らが「チョーサじゃ」と声を上げた。
終了後、内山さんは「練習した甲斐があり、いくつか当てられた。大寒波とかぶってめちゃ寒かったけど思い出になった」と、仲さんは「全然当たらなかったけど、みんな温かく応援してくれた。いい思い出になる」と話した。
参集殿での神事を経て午後8時30分ごろに獅子が出御。神社前の県道に出て海側、山側と進んで還御した。終了後、祷渡しの儀が行われ、1番祷を天満町に、2番祷を知古町に引き継いだ。天満町の松井真路(しんじ)さん(51)は「伝統を汚さぬよう、粛々と臨みたい」と来年に向けた役割に気を引き締めていた。
ヤーヤの練りのグラフ(https://digital.taiheiyo-np.jp/special/index/59867)
※道中行列のグラフは後日掲載