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社説「清き一票を投じる」

 27日は第50回衆議院議員選挙の投票日である。争点は、政治資金問題を受けた政治の清浄化、地域活性化、経済政策、防災対策、国防などである。もう、期日前投票を済ませた人もいるかもしれない。まだ投票していない人は、ぜひ、投票に行って「清き一票」を投じてもらいたい。

 総務省によると、衆議院議員選挙の投票率は、多少の変動はあるが昭和40年代から平成の初めまで70%前後で推移。平成8年の第41回選挙で59.65と初めて60%を下回り、「郵政選挙」と言われた平成17年の選挙は67.51%、民主党政権が誕生した21年は69.28%と盛り返したが、その後は50%台が続く。3年前の前回選挙は55.93%だった。

 政治家がよく「信なくば立たず」と発言している。原典である論語での文脈とはやや違う印象を受けるが、民主主義の現在、政府は国民の「信」を基礎に成り立っている。

 政府あるいは自治体のトップや議会への信・不信を表明するのが選挙という機会。普段は「お任せ」になっている政治の方向性を、主権者として示す場面。得票数は、候補者や政党、そしてその政策への評価と言える。

 小選挙区制は他の候補より1票でも多い候補が当選する。少しの票の差で、結果が入れ替わる可能性がある制度だが、「死票」が多くなり第1党となる政党は全体の得票率よりかなり多い議席を得ることになる。

 一方で、当落という結果にかかわらず、得票数や得票率は、批判にもなるし、激励にもなる。政治家は選挙の結果を非常に気にする。圧勝で当選した議員は発言力が増す。信任されているという意識が強くなれば、自信を持って発言できる。逆に不祥事などで多数の票を取りこぼすなら、「改めなければならない」と考えるきっかけになる。投票することで政治家を後押ししたり忠告したりすることにつながることを胸に刻んでおいてもらいたい。

      10月26日の記事

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