新宮市は9日から10月4日(金)まで、市役所1階ギャラリーで、世界アルツハイマーデー展示会を開催している。10枚のパネルで認知症などへの理解を促し、関連する同市の取り組みや相談先などを紹介。「『ちょっと気になる…』その症状をほっとかないで」と伝えている。
国際アルツハイマー病協会(ADI)と世界保健機関(WHO)は1994年に、9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定。アルツハイマー病などに関する認識を高め、世界中の患者と家族に援助と希望をもたらすことを目的として各地で活動が始まった。また9月を認知症の啓発のための「世界アルツハイマー月間」と定めた。これを機に新宮市でもパネル展を実施。
展示では、認知症はさまざまな原因で脳の細胞が死んだり働きが悪くなったりすることで記憶や思考などの能力が少しずつ低下する「脳の病気」と説明。2025年には認知症の人の数が約700万人に達するとされ、これは65歳以上の高齢者のおよそ5人に1人という。
また、加齢による物忘れは体験した記憶の一部分を忘れてもヒントがあれば思い出すが、認知症による物忘れは体験そのものを忘れてしまうことだとして、両者は違うものと伝えている。
その他、自分でできる認知症の気付きチェックリストや、早期発見の目安となる出来事、適切な予防をすることで健常な状態に戻る可能性のある「軽度認知障害(MCI)」、治療法や認知症になりにくい生活習慣、新宮市の関連事業などを紹介。
さらに認知症についての相談窓口として、新宮市では高齢者相談センター(電話0735-23-3306)を案内している。