元日の能登半島地震から半年が経つ。多様な災害は全国各地で発生しているが、南海トラフ地震の危険性を抱える紀伊半島沿岸に住む身としては、同じく過疎地の半島である能登の復興状況は気にかかる。
石川県は「創造的復興プラン」を策定。人口減少を踏まえ、単に被災前の姿に復元するのではなく、自立分散型の集落インフラの整備、関係人口拡大を目指す連携復興センター、一次産業や伝統産業の維持や再建などが盛り込まれている。
仮設住宅は先月末で必要分の74%が完成し、8月中に入居希望者への提供を目指すという。用地や人手の不足で遅れは、人口流出の加速の要因になりかねない。人が戻らなければ商売や事業の再開に踏み切れず、復興の芽をつんでしまう。
特にこの地域は海沿いに集落が点在し、市町面積の大部分には山が広がる。空いた広い土地が少なく、やりくりしながら新しい施設を建設しているという印象がある。被災時は臨機応変な対応が必要不可欠だが、人口流出を防ぐために仮設住宅用の土地の確保が重要となる。
(R)