現場の過酷さ伝える
那智勝浦町役場で13日、同町の職員を対象に「能登半島地震に伴う緊急消防救助隊の活動報告」が行われた。同町消防署の警防第一班専門員で今回第2次派遣隊の隊長を務めた清水浩さんが活動の内容と被災地の状況について説明した。
同町から緊急消防援助隊に派遣した隊は消防隊1隊。第1~3次の派遣隊は合わせて12人。主な活動内容は進出拠点確保、倒壊家屋からの救出作業、進出拠点での待機など。
第1次派遣隊が1月1日夜に出発。5日までの派遣期間で、その後の派遣部隊のための準備などを行った。5~8日に派遣された第2次派遣隊は石川県輪島市町野地区の土砂埋没救助へ出動(岐阜県と同行)。岐阜県隊の指揮下で活動中、遺体を発見し収容した。第3次派遣隊は8~10日に石川県能登町上町のやなぎだ植物園で終日待機。引き揚げのための準備などを行った。
清水さんは活動の反省点や今後に生かすべきことについて、「要救助者家族やマスコミ取材ヘリが見守る中での活動で、いつも以上に必死に活動してしまうこと。活動を長時間継続させなければならない災害現場で、気持ちが入りすぎると、2次災害のリスクを高めてしまう。平常心が大切で、淡々と活動することが重要」と説明。
さらに、「感情、表情のコントロールが難しく、被災地では、表情や発言には十分配慮し、悲しさや疲労感などさまざまな感情が入り混じった被災地の人たちの前では、安易に歯を見せるような表情はできない。被災者の心中を察して、厳粛に長時間活動することが求められる」と伝えた。
なお、21日(水)午後7時から、同町天満の町体育文化会館で一般を対象とした能登半島地震に伴う活動報告を予定している。