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不連続線「名前とブランド」

 木本高と紀南高の統合に向けて、新高校名の候補が公表された。これから手を携えていくために名前を一新することは必要なことだと理解できるが、それでも、歴史を積み重ねてきた名前が2つなくなる現実は重い。

 過疎化が進む地域だからこそ、名前が持つ重さを感じる。人口減少が進む中で行財政基盤を強化する意味で必要な措置ではあったものの、平成の大合併で観光地や特産品に根付いた市町村名が消えたことは大きな損失ではなかったか、と思うことがある。

 尾鷲市のふるさと納税が伸びているのは積極的なPRの成果だが、本質として漁師がうまい魚を獲り、工場が工夫を凝らした商品を作ってきた積み重ねが「尾鷲」の名前に根付いている強みがある。尾鷲ヒノキと尾鷲節の名からも「尾鷲」を冠につけるブランド戦略を意識したような先祖の知恵が見てとれる。

 人口減少が加速度的に進む中で次の大合併の可能性は否定できず、「尾鷲市」がなくなる日が来るかもしれない。それまでにできることは何か、考える必要がある。

(R)

      11月25日の記事

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