近頃、月がやたらきれいだなあと思っていたら、9月29日は中秋の名月だった。当日の夜には、南郡・熊野市の子どもたちにはおなじみの柿(かき)たばり、芋(いも)たばり(通称・たばらして)が行われ、普段は静かな山間の地域が子どもたちの元気な声でにぎわった。
月を愛でようと、薄暗くなり始めるころから東の方角を眺めていた。なかなか顔を出さない月を今か今かと待っていると、稜線から眩しいぐらいの小さなきらめきが目に飛び込んできた。満月の明るさに驚くとともに、初めて月の出を見られたことに感動。せわしない日常を一瞬忘れて、心が洗われるような美しい瞬間だった。
月の写真といえば、城の背景に合成写真のように大きな満月が写った「月と岐阜城」がSNSなどで反響を呼んでいるが、飛行機や人が影となって月に重なった幻想的な1枚や、タワーとの構図がぴったり合ったものなど、たくさんの写真がネットで見られる。また満月に限らず、三日月や真昼の月など、さまざまに表情を変える月は写真愛好家にとって魅力的な被写体のようだ。
【織】